ボルダリングしかしませんと言う人への提言。

書き始めたはいいが、
果たして自分にこのテーマを扱いきれるのか?

少々自信がない。

一言でいってしまえば、

「ボルダリングもリードも同じクライミングなんだし
 難しく分けて考えずにどっちも楽しめばいいじゃん。」

ということなのだが。

そこにはもう少し深い考察が必要な気がする。
そこでまずは自分の事を語ろう。

セブ島にもクライミングジムがわずかにあり、
私はそこで週に2~3日、平日の夕方から夜に登っている。
ジムは21時まで営業なので18時くらいまでに入れれば3時間くらい登れる。
同じくらいの時間にメンバーたちが集まってきて
たいがいはボルダリングのセッションになる。

小さなジムなのでテープ課題なんかは少ない。
あってもすぐに片付いてしまう。
誰かが課題をつくり、そこにいる奴らが交互に取り組む。
そんなことをもう10年続けてきた。

一応、トレーニングのプログラムなんかも組むのだが、
仲間がワイワイとボルダリングセッションをやっていると、
長モノとか4x4とかやってるのに焦れてきて、
ついそっちに加わってしまう。

そう。インドアのボルダリングは実に楽しいのだ。
若いときほど体が動かず、
今後も下降線になるであろう自分ですら楽しい。
私に限って言えば少なくともインドアのクライミングは
リードをやってるよりボルダーのほうが楽しいのは事実だ。

振り返って、外岩の話になると、
これはほぼ99%がリード(スポート)クライミングだけである。
外岩でボルダーに行くことは極端に少ない。

ボルダーエリアが無いわけじゃないし、
開拓する余地はじゅうぶんにあるのだが、
自分に限って言うと外岩のクライミング=リードということになる。

理由は自分でもわからない。
趣向なのか、体力的なことなのか、年齢的なことなのか。

いずれにせよクライミングを始めて以来ずっと
インドアではボルダリング
アウトドアではリード
という少々いびつなクライミングライフを過ごしてきた。
そんな私が「リードもやろうぜ」と言っても説得力がないかとも思う。

では何でこんなトピックを書いているのか?

ジムで登っていると日本人の人と知り合うことも多い。
現地で働いているひとだったり、
英語留学で来てる人だったり、
観光客だったり。

その多くは初心者だが、中には日本でもクライミングジムに通っている人もいる。
仲良くなり、一緒にセッションをする。
流れで「週末に外岩に行かない?」と誘ってみると

ボルダリングしかやりませんので。

と断られてしまうことがある。
これは実にもったいない事だと思うのだ。

昨今の日本のジムはクライミングジムではなくボルダリングジムがほどんどらしい。
建物やスペース、家賃の関係で日本ではリードができるジムが相対的に少ないのだろう。
そこで始めて育った人たちにとってはクライミング=ボルダリングなのだろうか?

やらない理由はいくつかあると思うのだが、

①ハーネスやロープ、クイックドローのようなリードに必要な道具を持っていない。
②やらない=やったことがない。つまり勝手がわからない。

おもにこの2つなんじゃないだろうか?

1番目の理由は簡単に解決できる。
借りればいいのだ。
お金がかかる場合もあるが、頼めば貸してくれそうな人は結構いたりする。
自分専用の道具があるに越したことはないけど、
誰もが最初は誰かに連れてってもらい、道具を借りているのだ。
遠慮することはまったくない。

2番目の理由はただの食わず嫌いなんじゃないだろうか?
クリップとかしたことないし、ロープの結び方だってわからない。
なんか道具もたくさんあって面倒くさそう。

やったことのない事に挑戦するのは誰だって2の足を踏む。
でもまあ、踏み出してみれば世界は広がるものだ。

クライミングがオリンピック種目になり
インドアのジムが隆盛になり、
この遊びを「スポーツ」と捉える人も多いと思う。

しかしクライミングを登山という意味に捉えた時、
山を登るたくさんの工程のなかで岩壁を乗り越える部分だけを
取り出したのがトラッドクライミングでやリードクライミングで、
そのなかでも難しい核心的な部分だけを抜き出したのがボルダリングなのだ。

山を登ることはスポーツではなく冒険。アドベンチャーだった。
ジムで登るボルダラーだってアドベンチャーでチャレンジャーじゃないか。
チャレンジャーが新しいことに挑戦せずにどうすんだ?

リードはボルダリングとは兄弟くらいの関係にあると思う。
少なくともトラッドクライミングやビッグウォール、アイスクライミングほど離れてはいない。
私もはじめてクラックをやったときは余りにも何もできない自分に愕然としたもんだ。
ボルダリングから次の一歩を踏み出すにはリードはうってつけなんじゃないだろうか。

スポーツクライミングの世界でもリードもボルダーも両方強い人も多い。
もちろんそれぞれに専門的なトレーニングが必要だろうし、
専業にしている人がいないわけじゃないが、
やってることとトレーニング方法が似通っている証拠だ。

まずは食わず嫌いせずに試してみようじゃないか。
ボルダリングをやっていれば、すぐにリードに順応できる。

リードの魅力は数々あれど、そのスケール感が最も大きいだろう。
体をグイグイと空中へ押し上げていき、
気が付けば地上20メートルに達する。
これはボルダーではなかなか味わえない感触だ。
その気になればマルチピッチで頂に立つまで登り続けることもできる。

グレードは追っても追わなくてもいい。
目標があるに越したことはないけれど、
11が登れないとかっこ悪いとか、12くらいは登れるようになりたいとか、
そういうのは他人のためにやるクライミングだ。
私たちはプロクライマーじゃないし、
これはインスタグラムじゃないんだから誰かに認めてもらう必要はまったく無いのだ。

ヘボくても、かっこ悪くても一歩を踏み出してみようじゃないか。
私たちはチャレンジャーなのだから。

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Author:cebuclimbing
大野 直樹
トラベル・クライミング・サポーター
セブ島在住20年でセブ島をスミからスミまで歩く。
仕事と家庭ともにメインの言語はセブ語、文化風習にも明るい。
クライミング10年、フィリピンの岩事情を最もよく知る日本人。
また観光業のエキスパートとして旅行とクライミングの両方の側面から
最適なプランを提案できます。
ちなみに3児の父。

Contact: +63-917-814-6988

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