上級者以外お断り?タグバオの岩場

タグバオ

このサイトではモンサレラという名称で呼ぶこともある。
ちょっとややこしい地名である。

どちらが正しいのかというとタグバオというのが正式名称である。
●●県××市△△町という日本の住所に置き換えるなら

セブ州トレド市カンタバコとおなじように
セブ州セブ市タグバオが正式名称ではあるのだが、
モンサレラと呼称することが多い。

なぜこんな言い方をするかというと、
なぜか近隣住民が自分たちの住んでいるところをモンサレラと呼ぶからなのだ。

理由はわからない。何に由来するのかもわからない。
言葉の響きから推察するに人の苗字のような気がする。
スペイン系の苗字ね。マルコ・モンサレラとか。
なんかそんな人も居そうな気がする。定かではないけれど。

イタリア人のクライマーを連れてったときは
お互いに英語発音が自国なまりなのでモッツァレラと言ってた。
それはチーズだろ。

両方あると分かりにくいので、少なくともこのページではタグバオと呼ぶことにしよう。

このサイトではカンタバコ、ポオッグ、トゥグノン、タグバオの4つを紹介しているけど、
実は載せてないだけでまだまだ岩場はある。

地権者と相談して使わせてもらってる場所なんかは
勝手に入ってしまうと迷惑がかかるので紹介できないのだ。
そんな未公開の岩場を除けばタグバオはセブでも新しい岩場の一つ。

早くからその所在は知られていたけれど、本格的な開拓が始まったのが2014年ごろから。
ノースフェイスのグローバルアスリートでもある、ジェームス&キャロライン夫妻と
われらが平山ユージ氏のフィリピンプロジェクトの功績が大きい。

タグバオは先にも書いたがセブ市(セブシティ)に位置する。
セブシティは人口200万を超える大都市である。

観光でセブ島に来る人、ビジネスでセブ島に来る人、英語留学でセブ島に来る人、
その多くがセブシティに滞在する。
多くのショッピングモールやアミューズメントを要する娯楽の街でもあり、
古くから海運で栄えた都市である。
フィリピン中央部ビサヤ諸島の中心地であり州都でもある。

日本で似たような位置づけをするとすれば大阪市とか福岡市みたいのが当てはまるんじゃないだろうか。
そのセブ市内にこの岩場はある。

これは滞在先からも近いだろうし、
人気の岩場なんじゃないだろうか?

そう思われるのも無理はないのだが、
実はこのタグバオ。思ったほどクライマーに利用されていない。

理由は大きく3つあって
①アクセスが悪い。
②近隣に何もない。
③グレードが高すぎる。


1つずつ解説しよう。

まずアクセス問題なのだが、先ほど述べたセブシティは
みなさんが思うよりずっと広大である。
いまちょっと調べてみたら291キロ平方メートルだそうだ。

実際には都市部分はかなり狭いエリアに凝縮されていて
おそらく全体の8割くらいは森林なのではないかと思う。

行きかただが、セブシティの中心部をアヤラセンターとかSMシティモールと仮定して
まずここから1時間ほど山間道路を走る。
ちなみにトレド市の岩場(カンタバコ)なら1時間あれば着いてしまう。

メイン道路から側道に入り、アプローチの取り付けまでおよそ15分ほど。
ここからかなり道が悪くなる。
普通車でもなんとか入れるが、かなりのアップダウンが必要。
そこそこ馬力のある車でないと厳しい。
道が滑りやすくなる雨期はやめといたほうがいい。

車で入れる限界の駐車場(というか地元民に屋外バスケットコート)からは
バイク、または駆動力の大きい四駆車のみ侵入が可能だ。
バイクはこの駐車場付近でバイクタクシーみたいのを見つけることができる。

両方とも無い場合は岩場まで歩くことになる。
ようするに岩場に行くまでにけっこう時間と手間がかかるのだ。
4輪駆動車のオーナーでないと二の足を踏んでしまう。
これが第1の理由。

つぎに現地事情だが
岩場周りは見事になんにも無い。

民家もお店もほとんどないので必要なものは全て持参する必要がある。
宿泊する場所もないのでキャンプのみ。食事も自炊が条件になる。
調理器具やバーナーなんかも全てだ。
もちろんトイレもない。
他の岩場が便利すぎるからかもしれないが、
この不便さが利用されにくい第2の理由。

そして最後にグレード問題。
わずかに5.11台も存在するが、この岩場のほとんどのルートは5.13後半~5.14となる。
つまり私たちのような一般クライマーにはあまり用がないのだ。

他の岩場は5.10~5.13くらいまでが中心なので
ビギナーからエキスパートまでみんなが同じ岩場で遊べる。

もし、タグバオに自分のプロジェクトがあるなら通う価値もあろうが、
同行者によってはグレードが高すぎて敬遠されることもある。
勢い、じゃあカンタバコにしとこうか。ってことになる。

もちろん、そのグレードの高さが魅力でもある。
2020年現在でフィリピンの最難ルートもここにある。
なんと5.14dだ。
一生のうちに触ることすらないかもしれないな。
ユージさん。作ってくれたのはありがたいけど、
こんなのあなた以外にだれがやるのよ?


先に述べた車で入れる限界の駐車場から先、
エリアは2つに分かれる。

徒歩で20分ほど川べりを歩くとリバーサイド
バイクで10分ほど山を登るとアップサイド

ちなみに山道は歩きやすくはなっているが、
かなり急峻なので徒歩では1時間近くかかるだろう。

リバーサイドから先に紹介しよう。
これは小川にそって10分ほど逆のぼったところにある。
なおアプローチ中はけっこうな大きさのボルダーがごろごろある。
川の中にあったり、足場が悪かったりするので
今はほったらかしだが、だれか開拓したい人が言ってほしい。

リバーサイドは現在10ルート。
5.10 1 ルート
5.11 1 ルート
5.12 2 ルート
5.13 3 ルート
5.14 3 ルート
という構成だ。なかなかにエキスパート向けである。
わずかに1本だけ5.10があってアップに使われたりするが、
これは逆に簡単すぎて(5.10a)準備運動にならなかったりする。

正直、あまり利用されていないエリアなので
地元の子供とかのイタズラで1本目のボルトが盗まれてたりする。
下部から困難なケースが少ないのだが、
グレードにじゅうぶんな余裕をもって臨みたい。

あんまり悪いことばかり書きたくないのだが、
それほど頻繁に利用されない岩場なので、
ほおっておくとすぐに自然に還ってしまう。
行くたびに下地整理やツタの除去なんかが必要になる。

それに思わぬところにアブや蜂が巣を作っている可能性もあるので
最初の一人目は登りながら十分に注意が必要。

余談ながらこのエリアのルートはすべて古今東西の
モンスターの名前が付けられている。
私たちになじみ深いのは
GOZILLA 5.14CとKAIJU 5.11dだろうか。
その他はガイドブックをご覧いただきたい。

アップサイドは開拓中の物も含めて20ルートほど。
こちらは13後半がメインである。
ここはリバーサイドに輪をかけて何もない。
足元も良くないので雨期は避けたほうが無難かもしれない。

ここまで来ちゃうと逆に帰るのが面倒になるはずなので、
通常はキャンプしながら
腰をすえてプロジェクトに取り組む形のクライミングになる。

娯楽もなにもなく、携帯電話の電波も届かず、もちろんネットも通じない。
日が暮れそうになったら夕食を作り、
夜になったらコーヒーを沸かすか酒を飲むしかない。
星だけは物凄く綺麗なので好きな人にとってはプラス点かな。

気の置けない友人と、人のいない僻地でクライミングだけに没頭する。
そういうのを求めてる人には最適かもしれない。


先にも書いたがタグバオの開拓は長い間、上記のような理由で放棄されてたのだが、
2014年のノースフェイスプロジェクトで一気に進んだ。
その時の様子なんかはこちらから見れるので参考までに。
ビデオの前半部分がアップサイド。

2:50過ぎがリバーサイド。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1qJsIKOORU

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Author:cebuclimbing
大野 直樹
トラベル・クライミング・サポーター
セブ島在住20年でセブ島をスミからスミまで歩く。
仕事と家庭ともにメインの言語はセブ語、文化風習にも明るい。
クライミング10年、フィリピンの岩事情を最もよく知る日本人。
また観光業のエキスパートとして旅行とクライミングの両方の側面から
最適なプランを提案できます。
ちなみに3児の父。

Contact: +63-917-814-6988

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