ローカルルールと山でのマナー

このサイトはリゾートとクライミングのバランスを語っている。
旅行も楽しみながらクライミングもやってみよう。
っていう軽いスタンスのクライミングをおすすめしている。

ガチで登りこみたい人はそれはそれで歓迎だけれど、
せっかくセブ島というリゾート地に来たからには楽しくやろうよ。
ってのが基本の考え方だ。

ゆえにあまり固いことは言いたくない。
まずは楽しんでもらうことが前提だからだ。
しかし、クライミングガイドを語るなら
やはり現地のルールや知っておきたいマナーというがある。


なおセブでクライミングをする際は
できるだけ現地のフィリピン人クライマーと同行することを奨励する。

このサイトの中からクライミングツアーに申し込んでもらってもいいし、
ガイドを手配してもらってもいい。
誓って言うがガイドを雇うことは値段以上の価値がある。
交渉、買い物、荷物持ち、ヌンチャク掛けや回収まで、
ほとんどあらゆることを何から何までやってくれるしね。

あなたが熟練のクライマーなら連絡してくれれば
都合の合うクライマーを紹介することもできる。
タイミングが合うなら私が一緒に行きたいくらいだ。

なぜこんなにフィリピン人クライマーの同行をすすめるかというと、
それだけで今から書くようなルールやマナー、危険を回避できるからだ。
外国人には分からないようなローカルルールに抵触することもない。

断っておくがフィリピン、ひいてはセブ島はルールにやかましい国ではない。
ありていに言えばユルユルのなんでもありの面もある。
あなた方だけでのクライミングも可能だし、
煩わしいのが嫌だという気持ちも分かる。

しかしせっかく外国に来ているのだ。
現地の人とコミュニケーションをとってみるのは
あなたの世界を大きく広げてくれるかもしれない。

レストランのウェイターやホテルのフロントではない。
街で道を聞かれた外国人でもない。
何を話していいかという疑問はまったくの無意味だ。
クライマー同士、しゃべるトピックは無限にある。
登れた時の喜び、落ちた時の悔しさ。
そんなのをシェアするだけでも楽しい思うのだ。


では、気を取り直してルールとマナーについて。

大前提としてクライミングは危険を伴う遊びだと認識すること。
ましてや外国では何か事故があっても助けを呼ぶことができない。
あなたの携帯電話は無情にも圏外の表示のままだ。
初心者や経験の浅い方はかならず熟練者を伴うこと。

エリアの中で発生した事故は基本的にすべて当事者の責任において処理すること。
もし何かトラブルが起きた場合、たとえばそれが病院沙汰や裁判沙汰になったとしても
自分で責任を持つということを忘れずに。

ほとんどの海外旅行保険はロッククライミングが適用外だと知ること。
まあ、これは日本の生命保険も似たようなものかもしれないが。

環境保護費用として若干額の寄付が必要なエリアがあること。
また一部のエリアは私有地のため、ルールやマナーを守れない方は
入山をお断りする場合があると知ること。

何が迷惑で何が迷惑でないかの基準値が日本と全く違う。

例えば人を指さすのなんかは絶対にまずい。
コツンと叩く程度でも人の頭をたたくのも大きなトラブルの原因になることがある。

さらにフィリピン人は人前で怒られることを極端に嫌がる。
たとえばガイドやドライバーが時間に遅れたとしても
人前では怒ってはいけない。
怒るなら後から1対1で。それなら素直に謝罪し認めるが
人前で怒られた日には前後の見境なく逆ギレするので注意。

逆に時間や騒音に関しては非常に寛大だ。
ほとんどのフィリピン人は待つことを苦痛に感じないので
多少時間に遅れても謝る必要はまったくない。
まあ、ほとんどの場合は待つのは日本人の方だろうが。

余談を挟む。
知り合った日本人クライマーを地元のクライマーに紹介した。
外岩に行きたいと言う。
私は仕事が忙しい時期だったので知り合いのクライマー何人かに声を掛けた。
ちょうど祝日だったからか10人くらいが集まった。

集合時刻は朝の8時だったが彼は宿泊している寮の朝食が遅れて
集合時間に15分ほど遅れてしまった。

走って駆け付けるたが誰もいない。
焦った彼は私に電話してきた。
「時間に遅れたんで置いて行かれちゃいました。」

私の回答はシンプルに
大丈夫だよ、まだ誰も来てないだけだから。

フィリピンあるあるだ。
10人全員遅刻だ。

集合時刻8時というのはフィリピン人にとって
8時に家を出る。という意味なのだ。
人によっては8時に起きる。という強者もいる。

これでよくケンカや言い合いが起きないなといつも感心するが
フィリピン人は待たせることも、
そして待つこともいっこうに気にしないらしい。

音に関しての概念もまったく違う。
騒音という言葉そのものが無いのではないかと疑ってしまう。

教会だけは話が別だが、それ以外の公共の場所や岩場でも
大音量で音楽をかけても誰にも迷惑にならない。
人によってはうるさいと思うことも多々あるだろう。
「静かにしなさい」と親が子をしつけている事は皆無と言っていい。

山のルールに話を戻そう。

指定された場所以外では駐車禁止である。
では指定された場所とはどこか?
近くにいる人にどこに車を停めたらいい?と聞けばいい。
基本的に岩場にはパーキングエリアは無いので
近くの人の通行の迷惑にならないように駐車すればいい。
まあ、このへんはリゾートクライマーには関係ないかな。
レンタカーを借りて岩場に行きたい人だけ気にしてください。

そうそう、運転手付きのレンタカーやタクシーを使って
岩場へ行く場合は必ず帰りの足を手配しておくこと。
できれば同じ運転手に指定の時間に戻ってきてもらおう。
帰りの車が無くなっちゃうのは悲惨だ。

セブ島の岩場はほぼ日帰りが基本だが、
どうしてもキャンプを希望する場合は必ず事前の許可をとること。
エリアによってキャンプの可否、受付所が異なるから注意。
もっとも500円以下で泊まれるような宿泊施設が岩場近くにはあるので
わざわざキャンプをするメリットは薄い。
トイレもシャワーもあり雨風もしのげるのだから
安宿に泊ったほうが断然得だろう。

言うまでもないが、岩場によっては一部脆い場所もあるので注意が必要。
まあ、これはどこも同じか。

ルートの終了点はほとんどの場合、ボルト2本かリングで構成されている。
クライミング後は懸垂下降か結び替えて下降する必要がある。
この技術の無い人は必ずクライミングガイドを帯同すること。

毒のある生き物や猛獣などはほとんど存在しないが、
ブッシュ、ジャングル内に立ち入るのは控えよう。
特に気を付けたいのが蜂。
いったい何度刺されたことか。
スズメバチのようにショックを起こすほどの危険な蜂はいないが、
ちょっと気をつかえば防げる程度なので気をつけよう。

ゴミは持ち帰ること。
残念ながらフィリピンは環境保護に熱心とは言い難い。
大人も子供もポイ捨てする。
モラルに欠けるし改善しなければならない点だが、
私たち日本人まで合わせる必要はない。

サッカーやラグビーのワールドカップで
日本人応援団が試合後に自分たちで出したゴミを拾って帰ったという美談がある。
ああいうのは外国に住む私たちにとっても誇らしい。
日本のクライマーが来ると岩場がキレイになる。と言われるように頑張ろう。

携行品など(ロープ、クィックドローなど)を岩場及び周辺に残置しないこと。
まあ心配はいらないだろうが守ってほしい条項。
もし、クイックドローをかけたはいいが時間や疲れの問題で
回収できずに撤収することになった場合は遠慮なく私に伝えてほしい。
回収して保持しておくことも、
輸送料金はかかるが日本に送ることもできる。
私は年に数回は帰国するのでその時に持って行って宅急便で送ってもいいしね。
これなら送料は安価で済む。
そのまま現地のクライマーで使ってください。というのも歓迎である。

わざわざ書くこともないがチッピングは厳禁。
チッピングと言うのは鋭利な刃物や電動のドリルなどを使って岩を削ること。
削って持ちやすくして登りやすくする行為の事。
これはクライミングでは厳禁だ。
未来永劫に汚点の残る所業だと心得てほしい。
その難しさを、その困難さを克服しようとして
努力しているクライマーがいることを忘れずに。

やる人はいないだろうが、たき火もやめておこう。
日本の岩場と違って、焚火をしたところで怒られることは少ないが
乾季には周囲の草木が乾いていて思わぬ火災を起こしかねない。

最後に地元に住んでいる方への尊敬を忘れずに。
現時点では規制のある岩場はないが、地元の協力なくしてクライミングは成り立たない。

少し意味合いは違うが日本人ではない外国人クライマーでこんなことがあった。
岩場で登っていたら老婆がお菓子を売りに来た。
押し売りや物乞いといった感じではなく、
地元のお菓子だから食べてみな。という感じだ。
おなかが減っていないので、いらないと断わった。
座り込んで登っているところを見ているので、うっとおしいので小銭を渡して追い払った。
彼女はそのエリア(正確にはその山)を所有する地主だった。

先にも書いたがこれらのモラルやルールは
地元クライマーと同行するだけでほぼ解決することが多い。
自分たちだけで登りに行くのもいいが、ぜひ地元クライマーにも一声かけてみよう。

IMG_03.jpg
スポンサーサイト



検索

プロフィール

cebuclimbing

Author:cebuclimbing
大野 直樹
トラベル・クライミング・サポーター
セブ島在住20年でセブ島をスミからスミまで歩く。
仕事と家庭ともにメインの言語はセブ語、文化風習にも明るい。
クライミング10年、フィリピンの岩事情を最もよく知る日本人。
また観光業のエキスパートとして旅行とクライミングの両方の側面から
最適なプランを提案できます。
ちなみに3児の父。

Contact: +63-917-814-6988

E-mail

Work
Aquamarine Ocean tours
Cocohilot Massage&Spa
CebuJapan Tourist center