ほぼ唯一のクライミングジム ハバガットウォール

最近ではクライミングを始める人のほとんどはジムからスタートだろう。

セブにもクライミングジムがあるので、
ちょっとやってみたい人や
雨の日でも登りたい意識の高い人は行ってみるのもいいだろう。

タイトルにもあるけどハバガット・クライミングウォールは
現在セブ島でほぼ唯一のクライミングジムだ。

場所はセブシティのラホッグ。
ウォーターフロントホテルやオフィスビルが立ち並ぶ
ITパークからすぐ近くの非常に便利な場所にある。
施設の名前はメトロスポーツセンターというので
こちらの名前の方が一般的だろう。
タクシーの運転手ならほとんどわかると思う。

もし分からなかったらTOYOS(トニヨス)という割りと有名なオープンバーが
すぐ近くにあるのでそれが目印として分かりやすい。

メトロスポーツセンターはクライミングウォールだけでなく、
バトミントンコート、スポーツジム、ボクシングなど複合スポーツコンプレックスだ。
バレーボールやバスケットボール、フットサル用のコートもある。
値段も割とリーズナブルなので中産階級のフィリピン人にも通いやすいところ。

クライミングウォールはこの施設内の2階にある。
垂直壁が4面、被った壁が2面、ルーフ状の壁が1面と
まあ、それなりに登れるようになっている。

名称のハバガットというのはHABAGATと書く。
それ自体は雨期に吹く季節風のことなんだけど、
この場合は経営母体の会社の名前だ。

ハバガットはセブを拠点とするアウトドア・アパレルメーカー。
いちおうフィリピン全土に流通してるから、ここの衣服はどこのモールでも手に入る。
アウトドアのウェアを作っている関連で
潜在的な顧客拡大のためにクライミングウォールを運営しているが
おそらくはまったく儲かっていないので頭を抱えてるだろう。
セブではまだクライミングはビジネスとして成立するとは言い難い。

余談だがハバガットのアウトドアウェアは思いのほか使いやすく優秀だったりする。
垢ぬけておらず野暮ったいのだが安価で軽く動きやすい。
この辺は南国生まれだけあってなかなか良くできている。

シャツもパンツも1000円~2000円くらいで買えるものがほとんどなので
汚れてもいいクライミング服、作業服として買って帰るのもアリかもしれない。
反面、寒さには弱く冬場に役立ちそうなものはほとんど売っていない。
冬のない国なので当たり前といえば当たり前だけど。

ジムは日本の華やかでボリューミーなクライミングジムと違って
ホールド達は地味なことこの上ない。
なんかみんな灰色にくすんで見える。

長くやっている人から言わせると昔あった初期のクライミングジムのようだとのこと。
私が知る限りは15年くらい営業しているが
最初に揃えたホールドをいまだに使っている。

ハリボテ系の大ホールドは皆無で、
とうぜん流行りのコーディネーション系ルートもない。
きわめて地味でクラシカルなジムなのである。
私は日本に帰った時などに少しずつホールドを買ってセブに持ち帰りジムに寄付している。
持って帰れるくらいの大きさの物に限られるけど無いよりマシだし。

料金は1人180ペソ。約400円くらいかな。
安いのか高いのかはよく分からない。
日本のジムとちがって初回登録料みたいのもない。
時間はいちおう4時間となっているが適当だ。
1日いたって誰も何も言わないだろう。

道具としてはシューズ、ハーネス、チョークが
レンタルと販売しているが品質は期待しないほうがいい。

まずクライミングシューズだが、
これも私が日本のジムの経営者の方から
捨てる予定のスクールシューズを寄付してもらいセブに持って帰ってきたモノたちである。
右と左で違うシューズなんてのもざらにある。
ようはサイズだけあってればいいや。って感じ。
フィリピン人の初心者は気にせずに使ってる。

このシューズたちは私がジムに寄付したんだけど
ジムのインストラクターたちがお客からレンタル料をいただいて、
それを親会社に隠してたんだから大問題になったことがあった。
イントラがどうなろうと知ったことではないが、
面倒を嫌って儲からないウォール経営をやめられてしまっては困る。
ここ一軒しかないんだし。

ハーネスは持ち込んでもお金はかからないが利用料に込みなのでジムの物を使うことができる。

あんまり公表しないほうがいいんだろうけど、
このハーネスはアウトドア用の物ではなくハバガットが勝手に作った簡易ハーネスだ。
事故が起こったのは見たことないから、それほど心配しなくていいけど
不安なら自分のハーネスを持ち込むことをおすすめする。

世の中には胸部で固定するチェストハーネスや
腰で履くパンツハーネスというのが一般的だけど
ここのハーネスはダイアッパー(おむつ)ハーネスとでも呼ぶのだろうか?
独特の形をしていて話のタネに使ってみても面白い。
ちなみに素材は車のシートベルトだ。
あれって50メートルとか100メートル単位でロールで売っていて、
それを軍用品とかの加工もできるミシンで縫うのだ。
なんで知ってるのかって?
仕入れたのが私だからね。

チョークは150グラムを150ペソで売っている。
綺麗にパッキングされた日本のチョークではなく
冷蔵用のジップロックに小分けにされてるだけだ。

中身は純粋なクライミング用途のチョークではなくいわゆる炭酸マグネシウム。
実は日本のクライミングジムなんかでもレンタル用のチョークはこれのことが多い。
一袋50キロとかの単位で工場から購入する。
登った後に手が荒れることもあるけど使用感は悪くない。
ジムで登るならこれでじゅうぶん。
実はこのチョークも私が日本から輸入して
パック詰めしてジムに置いている。
もう私がこのジムのオーナーでいいんじゃないか?

こんなユルユルのクライミングジムだがそれが良い面でもあって
インストラクターやクライマーはなにかと面倒を見てくれる。
時間が超過しても文句を言われるわけでもないし、
ジム内で飲み食いしてても基本オーケー。

営業時間は平日は正午12時から21時まで。
日曜は10時から20時まで。
祝日は基本的に営業していない。
経営面からいうと極端にやる気に乏しいジムなのだ。

複合スポーツ施設内にあるのでトイレなどはある程度は衛生的に保たれているが
シャワーは水しか出ない。
更衣室は無いのでトイレが兼用で。
ミネラルウォーターなんかは中でも買えるが、
少々高いので道の向かいにあるセブンイレブンで買ってくればいいだろう。

バトミントンエリアはエアコン完備なのだが、
クライミングウォールエリアは扇風機だけだ。
倉庫と同じ作りなので昼はかなり暑い。
訪ねるなら夕方から夜にしておくとよいと思う。

なにもかも準備された日本のジムに慣れていると戸惑うこともあるだろう。
まず、いわゆるテープ課題がほとんどない。
あっても結構な頻度でテープが剥がれていて
オリジナルのルートから欠損しているのでグレードが適当である。
中にはV4とか書いてあるのにどう考えても届かないやつもある。
途中のテープが剥がれちゃってそのままなのだ。

いわゆるトレーニング用の器材もほとんどない。
何年も前のロックリングス(のコピー商品)が1セットぶら下がっているだけだ。
こんなので強くなるやついるのか?と不思議だが
私だってここで13が登れるようになったし、
このジムからフィリピン代表に選ばれたのもいるから、まあそう捨てたものではないだろう。

インストラクターにだいたいのグレードを言えば
それなりの課題を作ってくれるので声をかけてみるといい。
まったく遠慮はいらない。
少し仕事させたほうがいいのだ。
ほっといてもyoutubeかネットフリークス見てるだけだし。
課題の1つや2つ作らせたってお金がかかるわけではない。

いちおう月単位の有料レッスンもあるけれど気にしないでいい。
もし楽しい課題を作ってくれたら、帰りに50ペソのチップを渡せばいい。
これでじゅうぶん。
100ペソ渡せばセブンイレブンまで水を買いに行ってくれるかもしれないな。

基本的にキッズでもOKだが、クライミングシューズの小さいサイズがないので
スニーカーや運動靴で登ることになる。
っていうかほとんどのフィリピン人初心者がそうだな。


ボルダリングのセッションをしたければ夕方以降がおすすめだ。
だいたい5~6時くらいから常連のクライマーが集まってくる。
誰かが課題を作ってみんなでそれを登るというのの繰りかえし。
基本的にはボルダリングばっかりかな。
リードルートもあるにはあるが、ほとんどやってる人を見ない。
トップロープの初心者かボルダーの常連のどちらかって感じだ。

だいたいこういうのが21時くらいまで続く。

毎日だれかしらクライマーが登っているのでぜひ声をかけてみてほしい。
まず嫌がるフィリピン人はいない。
自分の方がよっぽど下手なのに懇切丁寧に指導してくれるタイプが多い。
私も週2~3日は登るようにしてるが、こればっかりは仕事もあるので何とも言えない。

なお、メトロスポーツセンターはITパークというセブ市の中心地の近くにあるだけあって
近くに食事をするところには事欠かない。
ほぼありとあらゆる物が食べられる。

クライマーたちはジムが閉まった後に一杯やりながら食事をとることが多いので
混ざってみるのも面白いが、基本ローカル食堂なので美味いものは期待できない。
それはそれで楽しい経験だろうけどね。

なんかダメなところばかり書いてきてしまったが
言い方を変えればアットホームで非常に居心地のいいジムである。
居心地がよすぎて登りもしないのに来るだけのクライマーも多い。
排他的ではないし初心者にもフレンドリーだ。

少々、渋滞の激しいエリアなのでタクシー等で行くのが大変だが
ぜひ足を運んでみてほしい。

フィリピンの首都であるマニラでは最新の器材や
ワールドカップで使われるようなホールド、
エアコン完備のクライミングジムが数件営業している。
レンタルシューズだって一流どころを揃えている。
いずれはそういったジムがセブにも進出してくるだろう。

ハバガットウォールが競争を生き残れるとは思えないけど、
駆逐されてしまうのは寂しいなぁと思うのだ。

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Author:cebuclimbing
大野 直樹
トラベル・クライミング・サポーター
セブ島在住20年でセブ島をスミからスミまで歩く。
仕事と家庭ともにメインの言語はセブ語、文化風習にも明るい。
クライミング10年、フィリピンの岩事情を最もよく知る日本人。
また観光業のエキスパートとして旅行とクライミングの両方の側面から
最適なプランを提案できます。
ちなみに3児の父。

Contact: +63-917-814-6988

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